Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

-件のコメント

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

-件のトラックバック

トラックバックURL
http://gdp3.blog102.fc2.com/tb.php/136-c69084ea
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

幻想大地徒然譚 「アナの過去」

冒険者が来ると、その世界は活気付く。そして、騒がしくなる。
では、冒険者がいない間、あのキャラクター達は何をしているのだろうか?
また、過去、彼女達は何をしていたのか?
そんなことを、掘り下げていきます。

第二回は、アナ=ザ=ワンセルフの過去について掘り下げます。
デフォルトのあの「今は亡き美少女」の形をとる前、彼女はどんなキャラクターだったのか?
なぜ、あの美少女の形を取り続けるのか?
その辺が、おぼろげにわかればそれで良いです。


本編開始:

ボクは、「ほかの誰でもない誰か」。
ボクは、「Another Oneself」。
だって、ボクはドッペルゲンガー。
ほかの誰にでもなれるけど、本物の誰かになることはできないの。

ボクが最初に変身したのは、自分が想像した「男の子」の像。
ボクが、「ほかの誰でもない誰か」でなく、ひとつの生命として望んだ形。
この姿をとっていれば、誰も、ボクをドッペルゲンガーだなんて思わない。

そう、憧れのあの子だって・・・。

・・・
・・


人里の片隅で、ボクたちは出会った。
銀色の髪の毛で、白いきれいなドレスを着た女の子。
女の子は、ボクを見かけると、一瞬、不思議そうな顔を浮かべた。
「キミ・・・見かけない顔だね、こんなところでどうしたの?」
彼女はそう言って、警戒する素振りも見せずに近づいてきた。
「・・・ボクは・・・」
ボクには名前がなかった。
ドッペルゲンガーとは種の名であって、個体の名前ではない。
ボクは、悩んだ。悩んだ末に、こう答えた。
「アナ=ザ=ワンセルフ・・・」
「へえ、男の子なのに、女の子みたいな名前なのね。かわいい」
女の子はボクを覗き込んで言った。

彼女は、ちょっとは名の知れた家のお嬢様だった。
・・・お金の価値があまりないカナリアンにも、いわゆる「富豪」はいる。
ただ、お金の価値があまりないから、誰も偉そうにしないし、お金がない人も、誰も卑屈にならない。
源の川は人々にあまねくいきわたっているのだから。
その、「お嬢様」の彼女は、ボクの知らないいろんなことを知っていた。
おいしいお菓子の作り方や、お裁縫、ボクの知らない遊び・・・。
本当、何でも知っていた。
それに、かわいくて、しぐさもきれいで・・・。
男か、女か、性別など関係ないドッペルゲンガーのボクにも、彼女の魅力は明らかだった。

――いつしか、ボクは、彼女を意識するようになっていた。
ボクが、男の子の形を取り続けていたせいか、思考も、男の子のそれになりつつあったのかも
しれない。

そんな彼女が、ある日突然、悲しそうな声で、こうつぶやいた。
「あたしは・・・もうすぐ死んじゃうから、アナとは会えなくなっちゃう・・・」
青天の霹靂。
ボクは、一瞬、耳を疑った。そして、問う。
「・・・病気・・・なの?」
「うん・・・ここの、ね」
彼女は、ボクの手を取ると、自分の左胸に押し当てて答えた。
「・・・心臓?」
「・・・うん。あたしのここは、もうすぐ止まっちゃうの。お医者さんが言ってた」
「・・・そんな・・・ボクが、そのお医者さんを・・・やっつけるよ」ボクは言った。
「あはは・・・お医者さんを倒しても、あたしのここは良くならないよ」彼女は、笑って見せた。
その笑顔が、とても痛々しかった。

ここで、ボクは、はたと思った。
ボクが、ドッペルゲンガーの力を利用して、世界一のお医者さんになれば、彼女の病気を治せる
かもしれない、と。
「待ってて・・・ボクが・・・何とかするから・・・」ボクは、決意を胸に、彼女に告げた。
「ありがとう、アナ」彼女は笑みを浮かべて答えた。
もちろん、彼女は、ボクに、何かができるわけがない、そう思っているのだろう。
でも、彼女は、そんな表情を見せることはない。
ボクは、この笑顔を、絶対に守るんだ――そう思って、懸命に、お医者さんを思い描いた。
そして――

「ちょっと、アナ・・・?なんで、身体から光が・・・?」

彼女は、信じ難いものを見ているような目で言った。

「これが・・・ボクの能力・・・ボクが、キミを治す・・・」

次の瞬間、ボクは、大人の男性になっていた。
白衣を着て、道具やお薬を、考えられる限りすべて持った人間。
変身したボクの姿は、完璧なお医者さんだった。

・・・でも、誤算があった。
ボクが変身するとき、一瞬、ボクの「本当の姿」が見えてしまっていた。
・・・ボクの変身能力は、当時、未熟だったから。
一瞬、本当の姿にならなければ、変身できなかった。
そう、とても醜い、怪物のような姿に・・・。

彼女は、心の底からおびえているような、恐怖の表情を浮かべた。
「いや、近づかないで――」彼女は、後ずさった。
「どうしたの――?ボクが、治してあげる――」ボクは、彼女に近づいた。
そして、次の瞬間――

彼女は、「ぎゃッ」と苦しそうな声をあげ、白目を剥き、身体をぴくぴくと痙攣させたあと、
その場に倒れた――


ボクのせいだった。
ボクが、ドッペルゲンガーの能力を、彼女の目の前で使ったせいで・・・
恐慌した彼女の左胸は、ボクの目の前で、不規則に痙攣して、止まってしまったのだ――

ボクは泣いた。
その場で、泣き続けた。
周りの大人が駆け寄って、ボクを引き剥がしても、ボクは彼女のそばにいようとした。
彼女の屍を、ずっと見続けた。
ボクは、叫び続けた。
嘆き続けた。
ボクが――ドッペルゲンガーでなければ――!!


それから、ボクは、男の子の姿をとるのをやめた。
悲しみの中、ボクは、彼女によく見られたいために、男の子の姿を取り続けていたこと、
ドッペルゲンガーであることを隠し続けていたことを、心から後悔していた。
そして、しばらくは、誰もいないところで、元の姿――醜い姿のままでいた。
この姿さえなければ・・・。
ボクが、ずっと、きれいな人間の形のままでいられたら――

その考えは、やがて、ボクに、ある結論を出させる。
そうだ、ボクの取るべき姿は――


・・・
・・


「なあ、アナ」冒険者さんが、あたしに問いかける。
「・・・なに?」
「お前、ドッペルゲンガーなんだろ?つらい目に遭ったことはないのか?」
冒険者さんは、あたしの顔を覗き込んで訊いた。
「・・・あるよ・・・」あたしは、恥ずかしさで顔を赤らめながら答えた。
そして、あのときの話をする。
「そうか・・・大変だったな」冒険者さんは、そう言って、あたしの頭をなでてくれた。
「あ・・・」あたしの顔は、また赤くなった。

ドッペルゲンガーには「性別」がない。
でも、あたしは、今――「ボクが殺してしまったあの子」として、冒険者さんに会うことができた。
なら、あたしは、「あたし」への罪滅ぼしの意味でも、「あたし」でい続けよう――そう、思う。
たとえ、あたしが、「あたし」の性格や記憶を忘れてしまっても――。
スポンサーサイト

0件のコメント

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

0件のトラックバック

トラックバックURL
http://gdp3.blog102.fc2.com/tb.php/136-c69084ea
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Appendix

プロフィール

Hotoha

Author:Hotoha
病人なCard Wirthシナリオマイスター(?)
美少女萌えが大好き。
PS2・PSP・PS3を所有するソニーユーザー。
パソコン自作、AMD PhenomⅡX6を使ってます。

最近の記事

FC2カウンター

フリーエリア

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード
QRコード
Hotoha's Feeling Area

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。